矯正豆知識

永久歯が生えてこない場合の原因と対策

乳歯は上下10本ずつ合計20本生えてきます。大体3歳頃に乳歯が生え揃います。

その後、6,7歳頃に乳歯の一番奥歯の更に奥に6歳臼歯と呼ばれる永久歯が新しく生えてきたり、下の前歯から徐々に永久歯に生え変わっていきます。

永久歯は上下14本ずつ合計28本生えてきます。親知らずが全て生え揃うと32本になります。

生え変わりのペースには個人差があり、スムーズな生え変わりが行われないケースも見られます。

乳歯から永久歯へのスムーズな生え変わりを促してあげることが小学生頃に行う準備矯正の1つの目的でもあります。

どのようにして生え変わりが起こっているのか?

顎の骨の中に埋まっている永久歯が外に出てこようと乳歯を押し出します。

このときに乳歯の歯根を吸収しながら永久歯が乳歯を押し出してきます。

歯根が吸収された乳歯はグラグラと揺れてきて抜けます。

永久歯が生えてこない理由として以下のことが考えられます。

1.永久歯の生えるスペースがない

顎の幅が小さく、永久歯が生えてこれないことがあります。

そのまま放置してしまうと無理やり別の場所から永久歯が生えてきてしまったり、隣の歯の根を溶かしてしまうことがあります。

矯正治療では拡大装置という顎の幅を拡げる装置を使用してスペースを作り永久歯の萠出を促してあげます。

顎の横幅だけでなく奥行きが足りない場合も上手に生えてこないことがあります。

2.歯肉が硬い、分厚いため永久歯が出てこれない

早めに乳歯が抜けてしまった場合などに起こりやすく、この場合生えてくるまで待つか、歯肉を切除または切開して永久歯を出してあげるなどの対応策があります。

3.永久歯の生える向きに問題がある

永久歯の向きが極端に悪い場合、うまく生え変わりが進まないことがあります。軽度の傾斜でしたら、乳歯の抜歯や拡大治療等で対応ができますが、向きが悪い場合は歯肉切開をして矯正装置を装着して永久歯を引っ張ってくる処置を行うことがあります。極端に向きが悪い場合(逆向きなど)は抜歯が必要になることもあります。

4.乳歯が早く抜けてしまった、または乳歯が残っている

歯科医院で定期的に経過観察をしましょう。

矯正治療で歯をスムーズに動かすために歯科医院で早めに乳歯を抜いていただく場合もあります。

5.過剰歯が邪魔をして永久歯が生えてこれない

過剰歯とは正常な歯の本数より余分に歯があることをいいます。上の前歯に生えることが多いです。

歯肉から頭を出してくる場合と骨に埋まったままの場合があります。他の永久歯を邪魔してしまったりすきっ歯になってしまうことがあるため抜歯をすることが多いです。

6.永久歯が先天的に欠如している

先天性欠如とは過剰歯とは逆に元々永久歯がないことをいいます。欠如している部位の対処方法は様々ですが、メインテナンスをしっかりと行いながら乳歯をなるべく長くもたせ、乳歯が抜けてしまったらインプラントなどの補綴処置で隙間を補う方法や矯正治療にて隙間を埋める方法もあります。

6本以上の先天性欠如歯がある場合は矯正治療が保険適応となります。

乳歯が抜けてから2.3か月経っても永久歯が生えてこない場合は歯科医院へ行って相談すると良いでしょう。

レントゲンを撮ることで、永久歯があるのかないのか、歯の向きや骨のどの位置に歯があるのかが分かります。

定期的に歯科医院へ検診へ行ったり、おかしいなと思ったら歯科医院へ相談に行くことが早期発見に繋がります。

歯科衛生士 M.M.

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