初診矯正相談時に、パノラマレントゲン(お口の中全体のレントゲン)とお口の中の写真を撮らせていただいています。
矯正相談でおおまかな治療方針を説明する際、このレントゲンを撮っているか撮っていないかで説明する内容が大きく変わってくることがあります。
では、このレントゲンから何がわかるのでしょう?
<基本チェック項目>
- 虫歯・歯周病の状況
スクリーニング検査として、大きな虫歯がないか、歯を支えている骨が吸収されていないか(歯周病の有無)を確認します。
- 歯の本数の確認
約1割の方に歯の本数に問題があります。余分な歯がある(過剰歯)、あるべき歯がない(先天欠如歯)が確認できた場合、説明する治療方針が大きく変わってきます。

- 状態が悪い歯の確認
歯の神経を治療している場合、乳歯・永久歯問わず歯の寿命は短くなります。根が大きく屈曲していたり、短くなっていたりするなどの場合も、極端に状態が良くないときは抜歯部位の候補になることがあります。

- その他
骨の中に石灰化物や腫瘤がある場合、口腔外科で詳細な検査を受けていただくことがあります。
他にも唾石や骨の異常(茎状突起等)が見つかることもあります。

<お子さんの場合>
- 永久歯の位置・方向の確認
骨の中で待っている永久歯は全てがきれいに待ってくれているわけではありません。斜めになっていたり、回転していたり、できてくるのが遅かったり…

乳歯に問題なくても骨の中の永久歯がイレギュラーな状態でいることは多々あります。
- 歯の生え変わりの確認
あとどれくらいで歯が生え変わるのか、その子によってタイミングが違い、年齢やお口の中の情報では完全に把握することはできません。乳歯があとどれくらいで生え変わるかによって使える装置が変わってくることもあります。
<成人の場合>
- 顎関節の状態
顎関節症状がある人は顎関節の骨が変形していることがあります。顎関節症の進行を確認するのに参考になります。
- 親知らずの状態
親知らずがあるかどうか、どのような状態でいるのかをよく確認します。必要に応じて矯正治療前に抜歯をおすすめすることがあります。

- 上顎洞の形態
上顎の骨の中には上顎洞という空洞があります。その形態によっては歯が動きにくくなることがあります。また、矯正治療用のインプラントの埋入部位を決める際の参考になります。

レントゲン一枚からいろいろなことが分かります。これらの情報をもとに矯正相談時におおまかな治療方針や注意事項等のお話を行っています。