矯正治療により歯を積極的に動かす期間が終了すると歯に装着していた装置が外れ、保定期間に入ります。
保定期間とは動かした歯並びを安定させるための期間でリテーナーと呼ばれる保定装置を使用していただきます。
矯正装置が外れた直後の歯並びは非常に後戻りしやすくなっています。
そのため、リテーナーの使用時間はお食事の時と歯磨きをする時以外は常に使用していただくようにお願いしています。
不正咬合の状態によって使用期間は異なりますが、目安として本格矯正の方は2年位です。
歯並びが安定してきたら就寝時のみの使用等に使用時間が減りますが、歯科医師からの指示があるまではご自身の判断で使用時間を絶対に減らさないで下さい!
この保定期間を守ったら絶対に後戻りしないという決められた期間はありません。
私達人間の歯並びは常に変化し続けています。
特に成人の方の場合、矯正治療をしてもご自身の噛み癖や態癖などにより歯並びの変化が起こることは少なくありません。
歯並びの変化が心配な方は目安の使用期間よりも長くリテーナーを使用していても問題はありません。
保定期間時の定期的な受診と歯科医師との相談により保定終了時期を検討して下さい。
リテーナーにはいくつか種類がありますのでご紹介します*
1.ベッグタイプリテーナー
ご自身で取り外しができます。噛む面を覆わないため、自然とかみ合わせが落ち着いてきます。
お食事の時と歯磨きをする時に外していただきます。
取り外しができるため清掃性に優れています。
ご自身の使用時間の協力が必須です。
2.クリアリテーナー
ご自身で取り外しができます。歯並びの安定性に優れています。
お食事の時と歯磨きをする時に外していただきます。
取り外しができるため清掃性に優れています。
ご自身の使用時間の協力が必須です。
透明なマウスピースタイプのため審美性に優れます。
歯ぎしり対策にも応用できます。
3.舌側固定装置
歯の裏側に細い針金を接着剤で装着します。
取り外しが不要のため使用時間がしっかり確保できます。
そのまま食事ができます。
周りから見えないため審美性に優れます。
清掃性があまり良くないため歯石が付きやすいです。
取れてしまうことがあります。
矯正装置が外れ、やっと矯正治療が終わったと安心してしまう気持ちやリテーナーの装着を面倒に思う気持ちもあると思います。
保定期間も大切な治療の一環です。
この保定期間の過ごし方によって今後の歯並びの良し悪しが決まります。
せっかく時間もお金もかけて整えた歯並びです。
リテーナーの装着不足でせっかくのきれいな口元が後戻りしてしまうのはもったいなく思います。
整った歯並びを守るため、リテーナーの着用を忘れないで下さい。
歯科衛生士 M.M.